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2016-04

アサヒ一本 - 2016.04.29 Fri

今年度から3年生になった、インドネシア人研修生の話をしよう。


いつも笑顔で、明るい子であり、
どんな時でも、彼の周りにいると、なんか楽しくなる。そんな雰囲気を作り上げる、研修三年目のタヌキくん(体型がタヌキみたいだから)

彼は、今年から、僕の担当している野菜部門の方へと、移動してきた。

ちなみに、うちの農園では、3年目になると必ず、僕の方の部門へ来ることになっているのだ。

僕の方というより、親方の方なのだが。

その親方の部門、必ずといっていいほど、みんな叱責される。

というか、怒鳴られるというか、雷が落ちるというか

まぁ、親方の部門の仕事に慣れていないから、親方の意図している事を図り損ねて、または、言葉が聞き取れなくて、違う事をしたり、見当違いの事をしたりと、地雷を踏んでしまうからだ。


そんな、怒られてばっかりのタヌキに、僕は、なんで怒られたのかを、その後、説明したりしているのだ。

親方が何をして欲しいのか、今、仕事の中で何をすべきなのか、日本語が聞き取れる、聞き取れないという前に、今何をすべきか、自分で考えて仕事をしてみよう。

それで今の場合はね、、、

という具合に



タヌキがこっちの部門に来てからは、こんなやり取りが頻繁に行われるようになったのだが。


そこで、ふと、思いだしたのだ
自分も昔は、よく怒られたなと。

怒られまえと、必死に試行錯誤していた事を。





農園に来て、1年目の時の事だ。
露地の畑を作るのに、肥料をまく仕事を当時から、親方と一緒に行っていた時だ。


親方が、「アサヒ一本」を持ってきてと、怒鳴っているのだ。

機械音が大きくて、声を張り上げないと聞こえないから大声を出しているだけなのだが、その一声にビクンとからだがこわばった、僕は「ハイ」と威勢のいい返事をして、飛び出していったのだ。


アサヒ一本、アサヒ一本?、アサヒってなんの事だ?


飛び出したはいいものも、アサヒはいったいなんの事なのかわからずに、来てしまったのだ。

これは、かなりまずい事である。

電話して聞こうにも、機械音がうるさくて着信音が聞こえないから出てくれないし、


戻って、アサヒって何ですかって聞こうもんなら、怒号の嵐、雨あられ。
それだけは、絶対できない。

しかし、アサヒって何なのか、全くわからず、誰かに聞こうにも、小屋には誰もいない。

これは、非常にまずいと思い、親方が必要とするアサヒとは何なのか、全神経を集中して考えたのだ。


うーん、親方は何を求めているのだろうか、、、アサヒ、、、

僕の思いつくアサヒはビールなのだが、まさか、昼間っからビール飲むはずはないよな~

でも今日は暑いし、親方なら飲みかねないかな。でも、冷蔵庫にアサヒビールがあるはずがないだろう。

と思いながらも、飲み物用の冷蔵庫を開けると、あるではないか、キンキンに冷えたアサヒビールが。

何だ、アサヒビールでよかったんど。
よし、よかった一件落着だ。


と思い、アサヒビールを、持って親方の元に向かったのだが、途中で大切な事に気づいたのだ。

親方はキリンラガーしか飲まない、このアサヒビールは絶対違うと。

親方はビールを求めているのではないと。

普通に考えれば、ビールであるはずがないのだが、考えすぎのあまり、危ない事をする所だった。

仕事中にビールを持っていってたら想像するだけで、末恐ろしい


さて慌てて、戻る僕は再び思考の渦に飲み込まれていく。
アサヒ、アサヒ、アサヒ。


親方と僕は、今、何をしている。
肥料を撒いているではないか。
なら、肥料に関するものかもしれない、では肥料置き場を見てみようではないか。

早く帰らないと、催促の電話がなってしまう事に、焦燥を感じながら、慌てて小屋に戻ってきたのだった。

そして、肥料袋の確認をすると、奥のほうにあるではないか、数は少ないが、その袋にアサヒと書かれている袋が。

ホットした。
あの、車と車がぶつかりそうになって間一髪、当たらなかった、あの安堵感が、アサヒという、肥料袋を見つけた事により、僕の心が満たされたのは言うまでもなかった。


そんな、最初の頃の僕も、どうしようもない、思考や失敗を経験してきた。冷静に考えればもっとスムーズに考えられるのだが、それを考えられるだけの知恵が当時はなかったのだ。



それを思うと、今のタヌキ君は僕の1年目の時のようなんだろうなと。
時間がかかるが、少しづつ、タヌキ君も失敗しながら考えながら、仕事に励んで、頑張っていって欲しいのである。








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Author:ゴンベイ
ド~レ~ミ~ってちゃんと歌っているつもりなのに、人からは音外れてるよって言われるんだよね。トントントンってちゃんとリズムを刻んでるって思うだけど、人からは段々早くなっているよって言われるんだよね。でもメロディーもリズムも人それぞれ違うもんだと思うから、人と合わせて調和をとることが大切。そんな私のハーモニー、このブログで奏でていきたいと思う。

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