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月の下の美人に出会って - 2015.06.14 Sun

農場へ向かって自転車を走らせている。昼間と違って夜は涼しいから気持がいいのであるが、時刻は正午0時を回っており、さすがに眠い。目的のハウスまで10分かけて到着。

ハウスに着くと、小動物が動く音がして、毎回ドキッとさせられる。正体は蛙なのだが、
宮古には、さそりやヤシガニといった毒を持っている珍獣がいるので、その正体がわかるまで、毎回ビビらされているのである。


蛙であるという確認が済んだ後、ボカシ肥という手作りの肥料の管理を行うのだが、最近調子がおかしい。
ボカシ肥は菌を使って発酵させるのだが、その発酵熱の上がる具合が速いのだ。熱が上がったら、切り返しという作業で、適温まで下げてあげる。必ず熱は上がるので、一日に一回切り返しをする。
普段は1回、多くて3回でいいのだが、今日に限って5回も切り返しをしている。

 

これで、ボカシ肥を作りはじめて三回目。過去二回は失敗し、それを踏まえての三度目だったたが、また、同じ所でおかしくなり始めた。量を変えたり、切り返しの回数を変えたが、原因は別の所にあるようだ。


 宮古に来てからというもの、農業に関しては失敗続きである。唯一成功してるのは、ダイズぐらいだ。去年、茨城での農業は、畑は肥えてるし、気候もいい。初めて農業をやる人にとっては、うってつけの場所であった。
しかし、ここ宮古は中級者編である。農業地理学で分類すると、夏場の宮古は農業生産限界地域である。ただ、輸送システムや灌漑施設がかなり整備されているので、実際は農業生産限界地域に分類されないが。気候に関しては申し分なく農業生産限界地域であろう。

 何度も失敗を繰り返していると、心が折れそうになるのだけど、これから派遣される地域は本物の農業生産限界地域、農業上級者編である。こんな所で負けてはいられないと、ガムシャラに頑張っているのだが。さすがに今日は、ボカシ肥の5回の切り返しで、朝5時から、正午0時以降まで起きているのは疲れる。プラス、失敗という現実を突きつけられるのだからなお更だ。

ボカシの管理も終わり、ライトも点かない自転車に足をかけた瞬間、月明かりに照らされた花に目を奪われた。夜にしか咲かない花として誉れの高い、ドラゴンフルーツの花(サボテンの花)、月下美人である。


話には聞いていたが、こんな所で見れるとは思ってもいなかった。
大きさは、私の手の大きさよりも大きい。がく片が長年延ばし続けた爪のように長く、自分の知られたくない部分を抉じ開けられてその中身をえぐるかのように開いている。逆にがく片の中に咲く白い花は布団に入り込んで眠る前のあの安堵感に似た感覚を
を思わせるように、ふんわりと咲いている。

対極的ながく片と花びら、醜い魔女と美しい姫との間の人間関係を感じさせ、見るものをその物語に引き込んでしまう魅惑がある。
この相反する二つが両立して同じ舞台に立っているからこそ、この花の美しさがより際立つのかもしれない。

月下美人は夜に咲き朝には萎んでしまう。たた数時間しか咲かずその生涯を閉じてしまうから、月下美人を見て魅了された人々は、次の日には萎んだ花を見て、失恋にも似た感情を感じるのであろう。そんな事から花言葉は「はかない恋」であるそうだ。
 
  
 しかし、なぜ月下美人は夜に咲くのだろうか。それには月下美人の受粉形態が大きく関わっているようだ。月下美人は他家受粉をする。月下美人の花の蜜を食べた時に身体についた花粉を別の株の月下美人にもって行き、また蜜を食べる際に雌しべに付けてくれなければ着果しない。その際に花粉を媒介してくれる花粉媒介者が必要になってくるのだが、花粉媒介者は浮気もので別に美味しそうな蜜のある花があれば、そちらに行ってしまうのだ。

それでは、種の存続の危機になるという事で月下美人は信頼のおけるパートナーを見つけたのだ、蛾とコウモリである。
知っての通り蛾とコウモリは夜行性である、そんな彼らの習性に合わせて、月下美人は夜に咲くようになったのだ。


月下美人に見惚れながら、先日お世話になった農家さんの事を思い出していた。農家さんはドラゴンフルーツを栽培している方で月下美人の事を教えてくれた人だった。その時、農家さんは私にもう一つ教えてくれたことがあったの思い出した。
 
それは宮古の方言である。「あららがま」という言葉だが、この言葉の意味は宮古島の人の精神を表すとっても重要な言葉らしい。
 「あららがま」とは、ボクシング選手がぼろぼろになって倒れても、負けてたまるかと根性と気合で立ち上がる際に「あららがま」と言って立ちがる掛け声的なものでもあり、その精神を表しているのである。いわば不屈の精神である。
 
この言葉が生まれたのは、この島の厳しい自然環境が背景にある。毎年のようにやってくる台風は何もかも吹っ飛ばしてしまうほど強力である。ほとんどが農業を主体としているこの島では、台風による被害は甚大かつ深刻である。

しかし、宮古の人々はそんな困難にあっても負けてたまるか、「あららがま」と言って生きてきた。それが故に、「あららがま」は宮古の人々の精神に繋がっている。

 
月下美人を見ながら、「あららがま」という言葉をかみ締めていた。


帰り道、相変わらず自転車のライトは点かないが、そのお陰か、こんなにも月明かりがこんなにも明るいのかと気づかされた。
遅寝はなんの得もないというけど、今日に限っては、そうでもなかったようである。
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ド~レ~ミ~ってちゃんと歌っているつもりなのに、人からは音外れてるよって言われるんだよね。トントントンってちゃんとリズムを刻んでるって思うだけど、人からは段々早くなっているよって言われるんだよね。でもメロディーもリズムも人それぞれ違うもんだと思うから、人と合わせて調和をとることが大切。そんな私のハーモニー、このブログで奏でていきたいと思う。

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